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すばらしき世界

日本を代表する女性監督の一人西川美和監督の最新作『すばらしい世界』。作品は監督自ら執筆する脚本が多い西川監督なのだが今回は作家佐木隆三作品『身分帳』を元に3年を費やし脚本を作り上げた。主演は出所したヤクザを演じた役所広司さん。25年ぐらい前に今村昌平監督の『うなぎ』でも出所したヤクザ役だったことを思い出すが、今回の役所さんも素晴らしい演技。人間瞬間湯沸かし器といわれるほどの短気な男を演じたのだが、過去の自分が表面に出てきた時の切れた眼光、外的ストレスを爆発させたいのにこらえた時の充血するほど悔しい眼光、悲しい時に見せる伏せた目、そして最後のシーンの眼光。どのシーンも印象深いものにしてくれました。さすがっす。他の出演者も中野太賀さん、六角精児さん、北村有起哉さんなど実力者がそろいも揃う。キムラ緑子さんの『やけど、あんたはこれが最後のチャンスでしょうが!』このセリフ。主役の三上を制止し方向を転換させた力強い言葉だった。すげっす。鑑賞後は今日は他の映画を観るのは止めようと思わせる余韻。

ここ最近の映画の中では自分的に最高点を叩きだした作品になっています!



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