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役者屋


 10年ほど前、半蔵門にある国立劇場でガラスを拭いていた時に劇場では年末恒例の『仮名手本忠臣蔵』

を公演していた。外には松本幸四郎さんの出待ちをしているファンの方が沢山いました。ほとんどが年輩のお姉さん方でしたが幸四郎さんに間もなく会えるからか表情は明るく40年ぐらい若返っているのではないかと思われるぐらい表情はキラキラ。興奮すると血のめぐりが良くなるのかドクドクと聞こえるのではないかというぐらいファンの方のテンションは上がっていました。そして自分もガラスを拭きながら同じ建物にあの三谷幸喜脚本で名作『王様のレストラン』でギャルソン役を演じた松本幸四郎さんがいると思うと興奮した事を憶えています。そういう時は不思議と仕事が捗るもんです。

 先日、高麗屋の襲名披露がありました。幸四郎さんは二代目ハクオウに襲名されました。歌舞伎は観た事はないのですが松本幸四郎という人に興味があります。やはりラマンチャの男1200回以上、王様と私2000回以上、アマデウスは450回以上、観進帳の弁慶1000回以上、英語のセリフを全て覚えて立ったブロードウエイ、テレビドラマにも舞台にも役者として登場する。歌舞伎だけではなく役者としてとことん演じる、しかも何回も何回も。挑戦という心と劇を見に来ているお客さんのために一番良い物を見せようとやってきた人。並みならぬ努力があった事でしょう。そして人として品の良さを感じます。人を責めない、嫌な思いをさせない品の良さ。役者の世界だけではなく他の仕事、業界でも何度も何度もいいものを提供するという努力をする人がいる事でしょう。自分もその一人になれたらなと思います。

自民党の小泉新次郎さんは人生政治家と決心したと発言していましたが二代目ハクオウさんも人生役者と決心して幾度も演じてきたのではないでしょうか。これからも活躍を期待したいです。

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